◆金属パイプ加工の曲げ・溶接・プレス・部品からアセンブリ製品組付け加工。試作及び開発。オーダーメイド。愛知県安城市


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「リバース」コンセプトモデル製作工程1 サイドフレーム

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左) 自動車部品を中心に幅広いデザインを手掛ける有限会社D-WEBER           (本社:愛知県安城市) 代表取締役:水野 健一

右) 愛知県安城市で70年続くパイプ加工メーカー キムラ工業有限会社            三代目代表取締役:木村 忠嗣

2019年9月のこと。水野と木村の出会いは安城市商工課主催の「第1回 安城ものづくりネット」 でのこと。愛知県三河エリアには自動車関連を中心とした中小町工場がひしめき合う。その歴史は 三代目・四代目と受け継がれているものの、少子化や成り手の不足そしてコストの冷え込みから、 海外生産へシフトせざるを得ない状況に飲み込まれていた。海外へ生産拠点を持つことができない企業は、 特異な技術を持っているか、真似のできないオリジナリティを持っていなければ存続が厳しい状況下である ことは容易に想像できた。それをブレイクスルーしようとする市政の一つの取り組みが「安城ものづくりネット」であった。地元にこれだけのものづくりメーカーがあれば半径数キロで何かを生みだせるはず。それによる雇用の拡充や転入者の増大に繋がり、市の発展を支えるべき大きな存在の一つは中小企業だという考えからだ。ものづくりに携わる人達のモチベーションを上げて欲しいという気持ちが根っ子にはあるのを感じた。

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「特殊な技術を追い求めるのではなく、手持ちの技術を最大限に活かした実現可能な商品を作ること。」を念頭にプロジェクトはスタートした。それは特色を出したいがあまりに無意味な設備投資や使い慣れない加工機に振り回されては本末転倒だという思いから水野が掲げた骨子である。今のキムラ工業という会社の実力を示し、皆に知ってもらえる商品でなければ意味がないからだ。もちろん充分に技術を持っていると確信したからでもある。今できるものを全力で作ってみよう。 作品には、「回生(Re Birth)」と「反転(reverse)」の両方の意味を持たせ「リバース」と名付けた。スタート当時の中小企業の実態は決して明るいものでは無い。生まれ変わることが必要だという決意と、コスト競争で海外へ仕事が奪われ続けることを回避するためには 下請けだけからの脱却が必要だと考えた。下請けからメーカーへの転換(反転)である。狙うは「下請けとメーカーの二面性」流行る店には理由があるように、選択肢など無いくらい仕事を頼みたい会社になることが重要なのだ。 デザイン会社を営む水野も業態こそ違うが同じ中小企業主である。こうして「なぜ作るのか」「なんのために作るのか」「生き抜くために作るのだ」という意識を共有し、作品のコンセプトに繋がった。 デザインを追及してパイプ曲げを追及した。

1本の真直ぐなパイプ(直管)からはじまった。リバーススツールのサイドーフレーム曲げ加工

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あと少しでパイプとパイプベンダーが衝突しそうになった。そしてようやくデザインに近い形状が出来上がった。水野のデザインが「ここまでこないとお前にデザインは渡せないんだよ!」と言っているように聞こえた瞬間だった。

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数十回のパイプベンダー工程の曲げ検証を繰り返しくりかえし、ようやくサイドフレームの第1部品が完成した。次の工程を想像しながらパイプベンダーの動きを決めた。、しかしこの時点では次工程の加工に対する数値データがまだ決まっていなく、次工程は本当にまだ頭の中での想像でしかなかった。そんな不安を抱えながらも目の前の曲げ加工が完成したことで少し安堵を感じていたのだが、曲げ終わったパイプをパイプベンダーから取り外す工程で普段の作業ではありえない工程を付け加えることになり、折れそうな心をいたわりながらパイプの擦り傷の程度を確認した。

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まだこの工程ではサイドフレームの側面はまっすぐです。この後の工程で大きな曲げライン作ります。このリバーススツールのデザインの見どころでもあります。キムラ工業有限会社は直管パイプを曲げ加工技術でデザイナー、設計者、の考案した意匠を具現化するお手伝いが出来る工場です。

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リーバーススツール2種類のうちの「バフクリア+ヒノキ」用フレームです。試作時点では表面をハンド研磨#240しながら表面お状態を確認していました。機械的につく傷についてはバフ研磨#120+#240しました。塗装前にさらにこまかな研磨をほどこします。

     

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